子ども法座で絵本を読んだら子がハマった話

目次

はじめに

法要や法座と聞くと、どうしても大人向けというイメージが強いかもしれません。しかし、近年は「子ども法座」を開催するお寺が増えており、絵本や工作を通して子どもたちに仏教の教えや念仏の心を伝える試みが行われています。私も先日、とある浄土真宗のお寺で開催された「子ども法座」に参加してみたところ、自分の子どもが絵本の読み聞かせに思いのほかハマり、その後「お寺」や「念仏」に積極的になってくれたエピソードがあったので、今回はその体験談をシェアしたいと思います。


1. 子ども法座ってどんな雰囲気?

1-1. 親子で参加する気軽な場

私が訪れたのは、地元の浄土真宗のお寺で月に一度行われている「子ども法座」という催し。朝10時頃にスタートし、まずは本堂で軽いお勤め(読経)と住職さんの簡単な法話があり、その後は子どもたち同士の交流タイムや、親子で楽しめるプログラムが続きます。
雰囲気はかなりアットホームで、敷居の高さはあまり感じませんでした。住職さんも朗らかで、子どもの目線に合わせてゆるやかに進行してくれます。参加者は幼児~小学校低学年くらいの子が多く、保護者も一緒に参加していました。

1-2. 絵本読み聞かせのプログラム

今回特に力を入れていたのが、「絵本読み聞かせ」のコーナーです。住職やサポートスタッフが用意した仏教にまつわる絵本、たとえば「阿弥陀さまのたんじょうび」や「おてらのもり」など、子ども向けに分かりやすく脚色されたストーリーをみんなで楽しむ時間がありました。
このとき、私の子ども(5歳)は正直落ち着きがないタイプなので、「大丈夫かな」と思っていたのですが、予想に反して熱心に絵を眺めながらお話に聞き入っている姿に少し驚きました。


2. 絵本読み聞かせで子どもが見せた意外な反応

2-1. 「もっと読んで!」と興味津々

絵本の内容は、親鸞聖人や阿弥陀仏との出会い、悪人正機や他力本願を子どもが理解できるように表現したものが多かったです。私の子どもは普段、戦隊ものやアニメの絵本には食いつくけれど、仏教系のお話には興味を示すか不安でした。
ところが、読み聞かせが始まると、「もっと読んで!」と興味津々。住職さんが歌ったりジェスチャーを交えたりしてくれるので、子どもたちは笑いながら聞いていました。「南無あみだぶつ」という言葉を初めて覚え、「これってなに?」としきりに私に質問してきたのが印象的です。

2-2. お寺へのポジティブなイメージ形成

法座が終わった後、子どもが「お寺って楽しいとこなんだね。また行きたい!」と言い出したのは意外でした。正直、私自身も「お寺=厳かな場所」「子どもは退屈するかも」と思っていたので、この反応には驚くと同時に嬉しくなりました。
絵本という手軽な媒体を通じて、仏教や念仏の要素が自然に子どもの心に伝わったのかもしれません。子どもにとっては、キャラクターが出てくる物語として楽しみながら、「みんなが助け合う」「悪いことをしても救われる」というメッセージが心に響いたようです。


3. 家に帰ってからの変化

3-1. 「南無あみだぶつ」を口ずさむように

子ども法座から帰宅した後、しばらくして子どもが「なんまんだぶ、なんまんだぶ」と口ずさんでいるのを耳にしました。最初は歌かな?と思いきや、どうも「南無阿弥陀仏」を真似しているらしい。
私が「その言葉は仏さまに手を合わせるときに言うんだよ」と説明すると、「じゃあやってみようよ!」と自主的に合掌しはじめたのには驚きました。もちろん、ただの遊び感覚かもしれませんが、子どもが自発的にこうした行動をとる姿は見たことがなく、感慨深かったです。

3-2. 絵本を繰り返し読んで学ぶ様子

あまりにも子どもが気に入ったので、その絵本のタイトルをお寺で教えてもらい、同じ本をネットで購入したところ、家でも繰り返し読んでいます。「この人(親鸞聖人)はどうしてこんなことしたの?」「なんで悪い人も救われるの?」といった疑問を投げかけてくるので、私自身も改めて悪人正機他力本願などの教えを勉強しながら答えるという形になっています。
まさか子どもがここまで食いつくとは思わず、親として少し戸惑いつつも、日常会話で仏教の思想が自然に出てくることを面白く感じています。


4. 親としての学びとお寺の可能性

4-1. 子どもの可能性を侮れない

今回、子ども法座で絵本を読んだだけの体験でしたが、子どもが吸収するスピードや興味の深さを見くびってはいけないと痛感しました。仏教の教えを子ども向けに噛み砕いて伝えると、意外にも「やさしさ」「助け合い」「誰もが救われる」というメッセージがダイレクトに響くのかもしれません。
大人はどうしても理屈っぽくなりますが、子どもの柔らかい感受性は、仏教の核心にスッと入りやすい面があるのではないでしょうか。

4-2. お寺の役割はこれからさらに多様化

この体験を通じて、「お寺は法事や葬儀だけの場所ではなく、子どもの学びの場にもなり得る」という認識が深まりました。実際、子ども法座や親子向けワークショップを定期的に開いている寺院が増えており、地域のコミュニティセンターのような役割を果たしているところもあります。
特に今後の少子高齢化社会では、子どもが集まる場としてのお寺の意義が一層高まる可能性もあるのではないかと思います。


5. まとめ

子ども法座で絵本を読んだら子がハマった話」は、単なる育児エピソードにとどまらず、仏教の教えが子どもの心を動かす可能性を示す好例でした。念仏や仏教思想は難しいイメージがありますが、絵本ワークショップなどの形で子どもに届ければ、そのやさしさや普遍的なメッセージは素直に伝わるのだと感じます。
私自身も、子どもと一緒に絵本を読んで仏教の話をする中で、「悪人正機」「他力本願」といった浄土真宗の大切な考え方を再確認し、「大人こそ学び直すべきだな」と思わされた次第です。もし近くのお寺で子ども法座や子ども向けイベントがあれば、ぜひ一度参加してみることをおすすめします。子どもだけでなく、親の心もきっと優しく揺さぶられるのではないでしょうか。

【参考文献・おすすめ書籍】

  • 子ども向け仏教絵本:『阿弥陀さまのおはなし』、『おてらのもり』など
  • 親鸞聖人 著 『教行信証』 (大人向けの教義理解に)
  • 各寺院の「子ども法座」「子ども会」の案内チラシ、SNS情報など

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