仏壇を買う際のポイント:塗り仏壇・唐木仏壇の違い

目次

はじめに

 浄土真宗の家庭では、お内仏(お仏壇)を大切にし、そこを中心に念仏やお勤めを行うことで、阿弥陀仏の力を生活に取り入れています。しかし、いざ仏壇を新調しようとすると、「どんな種類があるのか」「自宅に合うのは塗り仏壇か唐木仏壇か」といった疑問が浮かぶかもしれません。
 そこで本記事では、**塗り仏壇**と**唐木仏壇**の違いや、それぞれの特徴、選び方のポイントをわかりやすく解説します。家の広さやインテリアとの調和、予算などを考えつつ、**ご自身の信仰スタイル**に合った仏壇を選ぶヒントになれば幸いです。

1. 塗り仏壇と唐木仏壇とは

 日本の伝統的な仏壇には、大きく分けて以下の2種類があります。
1. 塗り仏壇
2. 唐木仏壇
いずれも木材を用いて作られますが、塗装や仕上げ方法、デザインが異なるため、見た目や雰囲気も大きく変わります。

塗り仏壇

漆塗り金箔を施したもので、伝統的・重厚感のある装飾を特徴とします。金箔や金具などを用いた華やかな仕上げが多く、荘厳なイメージを好む家庭に選ばれることが多いです。

  • 特徴:金箔や漆塗りによる高級感華やかな装飾
  • メリット:仏教的な厳粛さ荘厳さを強調しやすい。
  • デメリット:手入れにはやや注意が必要(漆や金箔を傷めないように)。価格帯もやや高め。

唐木仏壇

紫檀黒檀など、木目の美しい素材を生かした仏壇で、**「木の自然な風合い」**を重視した仕上げが特徴です。塗り仏壇と比べると金箔や漆の使用が少なく、落ち着いたデザインが多いです。

  • 特徴:木目の美しさを際立たせ、落ち着いた雰囲気
  • メリット:塗り仏壇より手入れがやや簡単。モダンなインテリアにも調和しやすい。
  • デメリット:金箔の華やかさに比べると地味に感じられる場合がある。

2. 選び方のポイント

仏壇を購入する際には、**価格**だけでなく、設置スペース家の雰囲気、さらに家族の好みなど、いくつかの視点で検討すると失敗が少なくなります。

  • 設置場所:置く場所の広さ高さを確認。大きい仏壇の場合、畳1枚分ほどのスペースが必要になることも。
  • 家族構成と好み:華やかな金箔と漆の塗り仏壇を好むか、木材の風合いを生かした唐木仏壇を好むかは、家族の意見を尊重。
  • 予算:塗り仏壇のほうが高価格帯になる傾向があり、唐木仏壇はややリーズナブルなものも多い。
  • 手入れのしやすさ:漆や金箔は汚れや傷に弱いため、手入れに注意が必要。木目が生きた唐木仏壇の方がメンテナンスが簡単な場合も。

3. お西とお東、それぞれの好み

浄土真宗では、本願寺派(お西)と真宗大谷派(お東)などの宗派によって、仏壇の意匠に差があるとされます。一般的には、お西(本願寺派)が金箔など華やかな意匠を好み、お東(大谷派)がやや**落ち着いた雰囲気**の仏壇を選ぶことが多いといわれますが、実際は地域や家の好みによって様々です。
いずれにせよ、**「阿弥陀如来の本願を示す空間」**として仏壇を整えることが大切です。宗派の教義に沿った名号仏具の配置を確保しつつ、塗り・唐木どちらを選ぶかは**家族の判断**によるところが大きいでしょう。

4. 実際に店舗で見る際のチェックポイント

仏壇の購入を検討するときは、**実際に仏壇店やネットショップ**でいくつかのモデルを見比べるのがおすすめです。その際、以下のポイントをチェックしましょう:

  • 材質の質感:漆塗りや金箔の仕上がり、木材の色合いなど。
  • 仕上げの丁寧さ:角の処理や金具の取り付け、扉の開閉時のスムーズさなど。
  • サイズ:部屋に置いたときの圧迫感や他の家具とのバランス。
  • 仏具セット:仏具がセットになっているか、別購入かを確認。品質やデザインの統一感も大切。
  • 値段と予算:同じサイズでも仕上げや細工で価格差が大きい。予算内で最適なものを探す。

特に店舗で直接見て触れられる場合は、材質の手触りや扉の開閉の感覚なども確かめると良いでしょう。目で見るだけでなく、照明の当たり方や実際の設置イメージもイメージしやすくなります。

5. 購入後のメンテナンスと将来的な修復

仏壇は、人生の中でも長期にわたって使用されることが多い家具のひとつです。塗り仏壇の場合、漆や金箔が劣化・剥がれを起こすことがありますし、唐木仏壇も木材の乾燥や傷みが進行する場合があります。
定期的な掃除:埃の除去や軽拭きを行い、**汚れの蓄積**を防ぐ。
専門業者への依頼:傷や剥がれが大きい場合、**修復専門店**や仏壇店でのメンテナンスが必要。
将来的な買い替え:住環境が変わったり、家族構成が変化したりした場合、小型化や新調を検討することもある。
仏壇を大切に扱い、必要に応じて修理することで、家族の信仰を継承するシンボルとして長く愛用できます。

まとめ

浄土真宗の家庭で欠かせないお仏壇選びにおいては、「塗り仏壇」「唐木仏壇」かという選択がまず浮上します。塗り仏壇は漆や金箔による華やかな美しさと厳粛さ、唐木仏壇は木材の自然な風合いと落ち着いた雰囲気が特徴。それぞれにメリット・デメリットがあるため、住まいや家族の好みに加え、予算や手入れのしやすさなどを総合的に判断して選びましょう。
大切なのは、**阿弥陀仏の本願を象徴する空間**として、仏壇を日常的に活かすことです。どちらの仏壇を選んでも、**念仏やお勤めを続ける気持ち**を育み、**家族が共に「仏の光」に包まれる時間**を大切にすると、より充実した信仰生活を送れるはずです。

参考資料

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