春と秋に訪れるお彼岸。お彼岸は、阿弥陀如来様の本願に触れ、ご先祖様と共にお念仏をいただく大切な機会です。
お彼岸の期間
お彼岸は春と秋の2回、それぞれ7日間にわたって行われる仏教行事です。
期間
- 春のお彼岸:3月18日~24日頃
- 秋のお彼岸:9月20日~26日頃
※実際の日程は、その年の春分・秋分の日によって前後することがあります。正確な日程は暦でご確認ください。
お中日(おちゅうにち)
春分の日・秋分の日がお中日となります。この日は昼と夜の長さがほぼ等しくなり、古くからご先祖様を敬い、お念仏をいただく大切な機会とされてきました。
お彼岸の意味
「彼岸」という言葉は「あちらの岸」を意味し、阿弥陀如来の浄土を指します。私たちの住むこの迷いの世界を「此岸(しがん)」と呼び、浄土真宗においては、この「彼岸」に往生することを願いとして生きる教えが説かれています。
お彼岸の期間は、阿弥陀如来の浄土に心を向け、ご先祖様を偲びつつ、お念仏を称える大切な機会です。この期間は、阿弥陀如来の本願による救いを改めて思い起こし、浄土への往生を願う心を新たにする時でもあります。
浄土真宗では、この「彼岸」は単なる遠い場所ではなく、阿弥陀如来の慈悲によって私たちが往生を遂げるべき浄土であり、すべての人々に開かれた救いの世界として説かれています。
お彼岸の由来
お彼岸の起源は、仏教の教えにおける「彼岸」という言葉に由来します。「彼岸」は、サンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多)」を漢訳したもので、「煩悩に満ちた此岸」から「悟りの境地である彼岸」に至ることを意味しています。
日本では、春分と秋分の日に太陽が真東から昇り、真西に沈むことから、西方極楽浄土への思いを馳せる時期として、この習慣が広まりました。春分・秋分は昼夜の長さが等しくなり、自然の調和が感じられる時期でもあり、仏教的な意味合いとともに生活に根付いたと考えられます。
また、浄土真宗においては、お彼岸は阿弥陀如来の本願に触れ、極楽浄土を願う心を新たにする重要な機会とされています。特に蓮如上人の時代から「彼岸会」が行われるようになり、阿弥陀如来の救いを改めて確認し、感謝する場として大切に受け継がれてきました。
このように、お彼岸は自然の摂理と仏教の教えが結びついた行事として、日本の伝統に根付いています。ご先祖様を偲びつつ、お念仏を称えることで、阿弥陀如来の救いに思いを馳せる大切な期間といえます。
おわりに
お彼岸は、阿弥陀如来様の本願に触れ、ご先祖様と共にお念仏をいただく大切な機会です。お彼岸を通じて、お念仏の教えに触れ、心安らかなひとときをお過ごしください。